子ども安全管理士

子ども安全管理士とは

子ども安全管理士とは、私たち大人が子ども達と真摯に向き合い、子どもの命を守り育む社会を目指すために、吉川慎之介記念基金が2015年2月に開設した資格認定講座です。
これまで、第1期~第4期まで開催し、保育・幼稚園・教育関係者の方などを中心に全国から約300名の方が受講されました。
子ども安全管理士講座 第一期~第四期のご報告
 
2019年12月に「子ども安全管理士講座教科書」が完成し、現在、子ども安全管理士講座は、日本子ども安全学会の理事を中心に、自治体レベルでの取組として開講されています。
「子ども安全管理士講座 教科書」
子ども安全管理士講座教科書(PDF)

 

子ども安全管理士講座 開講情報

◆長崎県大村市―大村市「子ども安全管理士講座」

長崎県大村市では、大村市子ども安全管理士講座を1997年より毎年開催し、2020年現在で、約100人の子ども安全管理士を輩出。大村市と認定NPO法人Love & Safetyおおむら(出口貴美子代表理事)が共催で行っており、保育園・幼稚園および子どもが来場する施設の職員を対象とした講座です。2020年は、オンライン講座形式で行っています。
子どもの事故予防と安全に関する取り組みが全国に広がることを願います。
大村市子ども安全管理士養成講座

 

子ども安全管理士講座 講師・執筆者のご紹介

出口貴美子
出口小児科医院院長 
NPO法人Love&Safetyおおむら代表
日本救急医療教育機構(BLS)
長崎トレーニングサイト代表/TCF
慶應義塾大学医学部
解剖学教室、非常勤講師

子どもの死亡原因の上位を占めるのが「事故;Injury」である現状を打破するためには、サイエンスを駆使する必要があります。「科学的に事故を予防する」方法を、私共の地域の取り組みをご紹介し、皆様と一緒に考えたいと思います。
土屋明広
金沢大学 准教授 人間社会学域 学校教育学類

教員養成課程にて学校安全を含む教育法制度を担当

専門分野は学校事故、紛争処理を中心とした法社会学

教育・保育に携わる職業は、子どもたちの生命力を間近に感じ、その尊さを日々実感できる素晴らしいものです。しかし、子どもたちは、弱い存在であることも事実です。かけがえのない子どもたちを守り、その成長を支えるために私たちができることは何か、一緒に考えていきましょう。
西田佳史
東京工業大学工学院教授
国立研究開発法人産業技術総合研究所招聘研究員
NPO法人Safe Kids Japan理事
日本では、学校管理下の事故による傷害が年間100万件以上起こっています。転倒にかかる時間は0.5秒、サッカーゴールが倒れる時間は1秒など、事故を見守りだけで防ぐことは難しいです。本講義では、最新の人工知能や公衆衛生の知見をもとに、実際に実施可能な予防法を見つけるための基本的な考え方(3つのEの考え方)、身の回りの事故を防ぐための実践的な事故予防方法などを分かりやすく解説します。
渡辺 直史
プラムネット株式会社
 アウトドア共育事業部
 統括リーダー
Outward Bound Japan
 評議員/安全委員
EFR インストラクター

子どもたちの生命や身体を守ることは、私たち保育者・指導者にとっての最優先事項です。一方、もし保育や体験の場からケガや事故につながる可能性を一切排除したら…健やかな成長・学びは期待できるでしょうか?「リスクマネジメントの基本手順」は重大事故の予防と体験の効果とを両立させ、様々な視点の大人たちが力を合わせて、安全な保育・教育の場をつくるための枠組みを提供します。
内田良
名古屋大学大学院教育発達科学研究科教授

学校管理下の重大事故を調査・研究する 
著書に『教育という病』『柔道事故』『児童虐待へのまなざし』

「実態解明なくして,再発防止なし」。
「子どもの安全」は長らく教育界で重視されながらも,どのような事故がどの程度起きているのか,その実態はほとんど明らかにされていません。講座では,エビデンス・ベースドの視座から,学校における重大事故の実態を示し,再発防止策について考えます。
猪熊弘子
一般社団法人子ども安全計画研究所代表理事
ジャーナリスト
名寄市立大学特命教授

「死を招いた保育」(ひとなる書房)にて日本保育学会第49回日私幼賞・保育学文献賞を受賞 

保育事故の取材を続けて15年になります。
あってはならない事故で未来を絶たれた子どもたちを知り、ご遺族の深い悲しみに触れるたび、二度と繰り返してはならないと強く思います。私の講座で日本や海外での事故の現状を知り、現場での実践につなげることから、保育事故ゼロの実現につながると信じています。
大伴茉奈
国立スポーツ科学センター
スポーツ科学部 研究員

テーマ:脳振盪(脳しんとう)、学校安全

脳振盪はいかなる場合でも危険な頭のケガです。骨折などのように、目に見えないケガであるため、見逃されてしまい、命に関わる大きな事故に発展してしまうことがあります。私の担当箇所では、子どもの命を守るために、脳振盪の実態と特徴、必要な対応について解説しております。子どもに関わる全ての人に考えていただければと願っております。
細川由梨
早稲田大学スポーツ科学学術院 専任講師
BOC公認アスレティックトレーナー

テーマ:労作性熱中症、スポーツセーフティ

運動時に発生する労作性熱中症の多くは事前のリスク管理で予防することができ、適切な応急処置を施すことで100%救命できると言われています。スポーツ医科学の知見を教育・保育現場に応用することで、子ども達の熱中症事故が「0」になることを強く願っています。
石井逸郎
弁護士
ウェール法律事務所パートナー

2009年度第二東京弁護士会副会長

2014年度関東弁護士会連合会理事等を歴任

学校や幼稚園・保育園は、親御様から大事なお子様をお預かりしています。そこで子どもたちの命や健康、安全に関わる事件が発生した場合、何らかの法的責任が生じ得るのは当然のことです。何も責任がない、なんてことにはなりようがありません。具体的事例を通じて、県や市、学校や園、一人一人の教師や子どもたち、親たちの法的関係と法的責任について、考察してみたいと思います。
寺町東子
弁護士・社会福祉士・保育士
東京きぼう法律事務所
2019年度日本弁護士連合会理事
一般社団法人子ども安全計画研究所理事

「なぜ亡くなったのか知りたい」
保育事故や学校事故のご遺族から何度も何度も言われた言葉です。
事実を把握し、原因を究明し、責任があるなら責任を取らせ、事故につながる要素を一つ一つ取り除いて再発を防止して初めて、ご遺族はスタートラインに立てると思います。
同種事故を繰り返さないことは、亡くなった子への追悼であり、
未来の子ども達への、私たち大人の責任です。
石井拓児
名古屋大学大学院教育発達科学研究科 教授
専門は教育行政学・教育法。
現在、日本教育行政学会理事・日本教育法学会理事。
共編著に『学校の安全と事故防止』ほか。
学校は、子どもの成長と発達を保障する場所です。
万が一事故が発生し、大きなケガを負った場合や死亡事故となってしまった場合には、その子どもの成長や発達の可能性が閉ざされてしまうことになってしまいます。
子どもの笑顔と将来を守るために、私たちにできることをいっしょに学び合いたいと思います。

井上 健
国立精神・神経医療研究センター 神経研究所 室長
精神科専門医、臨床遺伝専門医

不慮の事故による傷害の治療は医療が担いますが、これを予防することは普段の生活の中でこどもたちを見守る大人たちの責務です。特に教育や保育に関わる専門職の方々が、なぜ事故が起こるのか、どうすれば予防することができるのか、科学的なデータの基づいた事実から学ぶことが大切です。これを普段の業務やイベントなどに反映させることで、命を脅かす事故からこどもたちを守ることができるのです。
山本雄一朗
弁護士
青葉総合法律事務所所属
2019年度 第二東京弁護士会子どもの権利に関する委員会副委員長
児童虐待等の児童福祉関係を中心に、子どもの権利の実現・充実のために様々な活動を行う。
子どもにも基本的に大人と同じ人権がありますが、子どもが権利の保障のために自ら声を上げることは困難です。
これは、子どもが安全に育ち、人格を発展させる環境を作るうえでも同様で、子どもが自ら安全を求めて声を上げることはできません。その意味で、子どものために安全な環境を整えるのは大人の責務です。私も大人の一人として、子どもの安全について皆さまと一緒に考えます。

 

代表挨拶

吉川 優子
一般社団法人吉川慎之介記念基金
代表理事

子ども安全管理士講座は、遺族として事故の教訓をいかしたいという思いから、保育・学校事故のご遺族や事故原因と再発防止を考えるために出会った先生方と共に考え、発足させた講座です。
事故の再発防止と未然防止(予防)は「知る」ことから始まります。
子どもたちが元気いっぱいに成長へのチャレンジを重ねていくことができる環境について、皆さんと一緒に考えていきたいと思います。
どうぞよろしくお願い申し上げます。

 
 

子どもの安全管理~水辺の事故を減らすために、今できること~(PDF形式)

子ども
安全管理士講座 教科書(PDF形式)

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海と日本PROJECT【日本財団】

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